
第1 消費者問題と立法課題
1 はじめに
(1) 相変わらず不公正な取引で被害を受ける消費者はあとを絶たず、連日、各種の消費者被害が新聞をにぎわせている。まともな商売をしていたのでは全く儲からない、ということから、手っ取り早く、消費者を騙して儲けよう、という事例があとを絶たない。
(2) このような実態を目の前にして、大阪弁護士会では、大量消費者被害が起こるたびに、被害者相談会を行い、有志弁護士による弁護団立ち上げの援助等、しかるべき活動を行ってきたが、各種の被害が起こるたびに、後追いで被害救済を行うだけでは、その被害回復の程度も高くならず、大きな限界に至っており、立法運動その他、新しい観点からの活動が求められる。
(3) 2006(平成18)年5月に、消費者契約法が改正され、消費者団体訴訟制度が導入された。消費者被害の拡大防止、救済のために、被害当事者である消費者に代わって消費者団体に訴権を認めるという日本で初めての画期的なこの制度の成立を受けて、その効果的な活用に向けて、弁護士がその先頭に立って、消費者の英知を結集していかなければならない。
2 消費者契約法の活用
(1) 2001(平成13)年4月に施行された消費者契約法は、前記以外にも、各種の消費者保護の規定を盛り込んでおり、契約の取消を定めた第2章の規定や契約条項の無効を定めた第3章の規定は、各種の裁判で有効に活用されている。
(2) 中でも9条1項(契約解除に伴う損害賠償額等の額の制限)は、大学入試の入学金、授業料について、一度払い込んだものは一切、返さない、という規定の無効を主張し、入学金、授業料の返還を求める訴訟において、各地で消費者側勝訴の判決を生み出してきた。一定時期以前の入学辞退者には授業料を返還すべきだという最高裁判決もなされた。
(3) また、10条(消費者の利益を一方的に害する条項の無効)は、建物賃貸借契約において、多額の敷引特約や自然損耗まで賃借人負担とする原状回復特約につき、不当条項であるとして無効を主張し、当該敷金全額の返還を求める訴訟において、各地で消費者勝訴の判決を生み出してきた。契約条項として明記されている条項でも、消費者に一方的に不当な条項については同条項により無効とすべきという判例の流れも、確固たるものとなっている。
(4) その他、契約締結段階に事業者側に消費者を誤認させ困惑させた場合に第4条を適用して契約の取消を認めた判決等多数報告されているところであるが、今後とも、消費者契約法を活用して、多くの、消費者に不利な条項を見直し、不当に事業者に違約金等が支払われることのないよう、各種の活動が進められるべきである。
(5) また、後述のとおり、立法的解決をはかる際には、消費者契約法の改正により行われる分野が多々存在するものであり、立法活動の面からも、消費者契約法の活用が、極めて重要となってくるものである。
3 その他の立法問題について
(1) 不招請勧誘の禁止
@ 消費者が望まない一方的な勧誘について、消費者トラブルの契機として、以前から問題となっており、2003(平成15)年秋の近弁連大会でも原則禁止を求める決議がなされたところであるが、この不招請勧誘の不当性は明らかであるので、早急に立法化すべきである。
A この点、2004(平成16)年12月に成立し2005(平成17)年7月1日から施行された金融先物取引法の改正法において、近時被害者が多く報告され問題となっている外国為替証拠金取引業者につき同法の規制対象(登録制)とするとともに、不招請勧誘を原則禁止とした(同法76条4号)ことは高く評価されるべきである。また、2006(平成18)年6月に成立した金融商品取引法では、前記の金融先物取引法を廃止して金融商品の取引全般につき、投資者の保護を図ることが特に必要なものとして政令で定めるものについては、不招請の勧誘を禁止する旨の規定が置かれた(38条1項3号)。現在、政府は、「市場外」金融先物取引のみを政令指定の対象とする旨を表明しているが、それでは金融先物取引法改正時よりも後退することになる。
商品先物取引を始めとして、まずは投資金以上の損失の出る恐れのある金融商品については、早急に政令指定し、順次、その他の金融商品についても不招請の勧誘禁止の政令指定の範囲を広げていくべきであると考える。
B また、各地の地方自治体の条例でも、多数、不招請勧誘禁止の規定が置かれつつある。
消費者基本計画においても、2007(平成19)年までに分野横断的、包括的視点に立った取引ルール作りを行うべき旨が決定されているのであるから、その一環として、消費者契約法の改正により、一部の例外を除いて、訪問販売、電話勧誘は、事前に消費者の方からの希望が無い限り禁止するという規定を置くべきであると考える。
(2) 消費者契約法の課題と改正について
前記第2記載のとおり、消費者契約法の利用が広がり消費者保護に資しているところではあるが、前記(1)の、不招請の勧誘禁止の導入を消費者契約法で行うという以外にも、以下のような課題につき、早急に立法化すべきである。
@ 事業者の情報提供義務の法的義務化
現行法では事業者の情報提供義務は努力義務的な規定(3条1項)とされているが、圧倒的な情報量の差がある事業者と消費者という現実の不均衡を是正し消費者保護を実効化するためにも、事業者に対しサンクションを伴う情報提供義務の法的義務化が必要である。
A 威迫・困惑行為による取消範囲の拡大
現行法では、契約取消ができる威迫・困惑行為としては不退去・退去妨害(4条3項)に限定されているが、現実にはそれ以外の態様による威迫・困惑行為(状況の濫用など)もあることから、より広い概念を取消対象行為に含ませるべきである。
B 消費者有利解釈の原則の明文化
現行法下においても、消費者有利解釈は当然の帰結であると考えられるが、事業者に対する行為規範的な意義もあるため、これを明文化すべきである。
C 不意打ち条項の排除(無効化)
消費者が予測できないような契約条項については排除すべきことは消費者保護の観点から強く要請されるべきことは論を待たない。
D 明確性の原則の法的義務化
現行法では、3条1項において契約内容の明確・平易化の配慮のみ規定されているのみであるが、これも事業者に比べ知識・情報の乏しい消費者を保護するためにも、法的義務化して実効化すべきである。
E 取消権の行使期間の拡大
現行法では、追認しうるときから6ヵ月と限定されているが、これは民法上の詐欺・脅迫による取消権の5年に比べてもはるかに短く、実効性が乏しい結果となる場合が多いため、少なくとも3年以上の期間に拡大すべきである。
F 立証責任の転換
現行法9条1項における事業者の「平均的損害」の立証責任が明定されていないことから、消費者側に立証責任ありとする判決も複数出されている。しかし、当該事業者の平均的損害を情報量に乏しい消費者側に立証責任を課すのは不合理であり、消費者保護を貫徹するためにも、事業者側に立証責任があることを明定すべきである。
G 不当条項リストの追加
現行法における個別的な8条9条の不当条項排除条項では少なすぎる。また、10条の包括的な不当条項排除条項があるものの、これは民法上の信義則違反の確認か新たな基準の創設か争いがあるところである。そこで、類型的に消費者に不当な結果となる条項につき、多くの類型を規定し、これらの条項を不当条項と推定し、あるいは、不当条項と看做す旨の立法化が望まれる。
H 重要事項の限定の排除
4条4項においては、取消権行使(4条1項2項)に大きな影響を与える「重要事項」の概念を不当に狭く定義付けしており、消費者の動機の形成に不実告知がある場合など必ずしも保護し得ない場合があるため、動機の形成なども含まれるようなより広い概念として新たに定義付けすべきである。
(3) その他、本稿で詳しく論じる紙幅は無いが、PL訴訟等における懲罰的賠償立法、商品先物取引について規制を強化する立法、海外商品先物取引やオプション取引規制を実効化する立法、IT関連取引を総合的に規制する立法等につき、早急かつ効果的な措置が求められるところである。
第2 多重債務者問題
1 総論
個人の自己破産申立件数は2003(平成15)年に全国で24万件を超え、過去最高を記録したが、2004(平成16)年から減少に転じ、昨年の同申立件数は約18万件、2006(平成18)年も前年比で約1割の減少であると見込まれる。しかし、自己破産申立件数は1994(平成6)年が約4万件であったところ、1998(平成10)年には約10万件になり、2002(平成14)年に20万件に達したものであり、ここ5年間で100万人以上が自己破産しているという異常事態が続いている。
司法統計年報によれば、貸金請求、立替金・求償金等請求等の訴訟、調停、督促事件(いわゆるサラ金・クレジット関係事件)に、動産執行事件等も合わせると、その数は約100万件に及んでおり、これらのサラ金・クレジット関係事件における「被告」「債務者」の大半は、多重債務者であると考えられる。
また、わが国の年間自殺者数は約3万人であるが、その内、経済苦・生活苦を理由とするものは約8,000人である。経済苦・生活苦を理由とする自殺者の数は自己破産申立件数と同様に推移しており、かつては2,000人程度であったものが、1998(平成10)年に6,000人を超え、2003(平成15)年には9,000人に達し、過去最高を記録した。
さらに、個人信用情報センターの一つである「全国銀行協会個人信用情報センター(全銀協)」の登録情報件数は7,894万2,000件(2005(平成17)年8月現在)で、このうち210万6,000件が事故情報として登録されている。
以上のような事情からすれば、多重債務者は、少なくとも200万人は存在すると推定される。
一方、高利貸金業者の総貸付残高は約10兆5,674億円、平均利率は25.15%であることから(以上、貸金業規制等に関する懇談会資料10 − 2 − 3より)、年間2兆6577億円もの利息が発生し、それが高利貸金業者の収益となっている。このような状況において、消費者金融大手5社(武富士、アコム、プロミス、アイフル、三洋信販)の経常利益は2003(平成15)年が5,673億円、2004(平成16)年が4,655億円、2005(平成17)年が5202億円に達している(以上、消費者金融白書)。ちなみに、JR東日本、JR西日本、JR東海の3社合計の2005(平成17)年の経常利益は4,505億円であり、消費者金融大手5社の経常利益はそれを上回っている。
このように200万人以上の多重債務者が日々の生活に追われ、高金利の債務に苦しんでいる状況において、大手サラ金が大きな利益を上げているという歪んだ現象が生じておいり、多重債務者の救済は弁護士会の取り組むべき急務である。
2 出資法等の改正による上限利率の引き下げ
多重債務問題の元凶である異常な高金利は即座に引き下げるべきであり、現在、出資法、貸金業規制法を改正し、出資法の上限金利を利息制限法の制限金利まで引き下げる方向で国会において審議中である(2006(平成18)年12月13日成立)。われわれは出資法の上限金利の引き下げを強く支持するものである。
(1) これまでの経緯
本年度、日本弁護士連合会及び複数の単位会が出資法の上限金利引き下げ実現本部を作り、大阪弁護士会においても同様の実現本部を作った。出資法改正論議では、金融庁の有識者会議である貸金業制度等に関する懇談会が2006(平成18)年4月18日、出資法の上限金利を29.2%から利息制限法に定める制限金利である15〜20%に引き下げ、いわゆるグレーゾーンを撤廃する方針を打ち出した。貸金業規制法43条「みなし弁済」に対し、2006(平成18)年1月13日、最高裁判所がその成立の余地を極めて限定的に解釈する判例を下したことや多重債務者の救済の必要性を真摯に受け止めた結果であり、高く評価できるものであった。これによって、出資法の上限金利を引き下げ、グレーゾーンを撤廃する動きが一気に加速すると思われた。
ところが、その後、業界の強い巻き返しがあり、自民党の金融調査会と財務金融部会の合同部会において、グレーゾーン撤廃について慎重な意見が相次ぎ、撤廃する場合においても少額短期の特例を設けること等が議論された。そして、与党は、7月6日、自民党、公明党共同による「貸金業制度等の改革に関する基本的考え方」を発表し、出資法の上限金利を利息制限法の制限金利まで引き下げることを基本としつつも、少額短期貸付における特例措置の是非を検討すること、また利息制限法の制限金利の金額による区分の見直しや利息制限法の制限金利を20%に一本化すること等を検討することを示した。このような与党の動向を受け、金融庁は9月5日、貸金業規制法等の改正案を発表し、出資法の上限金利は引き下げるものの、経過措置を4年とし、その後は少額短期の貸付に28%の特例金利を認め、その期間を5年間とする等して、長期間に亘って高金利を認めること、並びに出資法の上限金利は利息制限法の制限金利まで引き下げるが、一方で利息制限法の制限金利の金額区分を見直し、従来、10万円未満が20%、10万円以上100万円未満が18%、100万円以上が15%であったところを、それぞれ5倍し、50万円未満が20%、50万円以上500万円未満が18%、500万円以上が15%とし、実質的な利息制限法制限金利を引き上げることとした。
かかる改正案は、多重債務者の救済に背き、サラ金業界の利益を擁護するものであり、到底許されるものではなく、国民各層から大きな批判が寄せられた。当会の出資法の上限金利引き下げ実現本部は、これに抗議するため、10月11日、大阪弁護士会館において、「例外なき金利引き下げを求める大阪決起集会」を開催し、関係各団体から300名近い参加を得た。さらに、例外なき金利引き下げを求める街頭署名や会員への署名活動を呼びかける等して、15000筆以上の署名を集めた。そして、10月17日、東京において、日弁連の出資法の上限金利引き下げ実現本部による集会とパレード、院内集会が開かれ、総数300万筆以上の署名が国会に提出された。
このような運動と日弁連を中心とした国会対策によって、10月下旬、与党は出資法上限金利を利息制限法制限金に引き下げ、かつ特例金利と利息制限法制限金利の金利区分の変更を断念する改正案を発表したのである。
(2) 改正案の内容
出資法、貸金業規制法などにおける与党改正案の骨子は次のとおりである。
@ 無登録業者に対する罰則の強化(5年以下の懲役又は1000万円以下の罰金から10年以下の懲役又は3000万円以下の罰金)
A 禁止行為の強化、生命保険契約の締結にかかる制限、カウンセリング機関の紹介義務の創設、勧誘に係る規制の強化、生命保険契約に係る同意前の書面の交付、帳簿書類の閲覧、公正証書に係る規制の強化、取立規制の強化
B 業務改善命令の新設、行政処分の強化
C 過剰貸付に係る規制の強化(50万円を超える貸付又は他の業者の貸付の残額の合計額と合算した金額が100万円を超える貸付けの場合、源泉徴収票の提出を義務づけ、年収の3分の1を超える過失は原則禁止、極度方式基本契約を締結している場合には、貸付合計額が年収の3分の1を超えるときは、極度方式貸付を抑制するための必要な措置を講じること)
D みなし弁済制度の廃止
E 高金利違反の罪(20%を超える金利での貸付を処罰)
F 金銭貸借の保証料の制限(保証料を主たる債務の利息として計算)
G 見なし利息の例外の例示(公租公課、公的機関が行う手続に関してその機関に支払うべきもの、ATM手数料)
H 施行期日(最大3年6月)
I 見直規定(施行後2年6月以内に見直し検討)
このように出資法の上限金利が利息制限法の制限金利まで引き下げられたばかりでなく(なお、刑罰金利は20%であり、15%、18%を超えた金利には行政罰が科される)、罰則の強化、生命保険に関する規制、過剰貸付の規制強化、保証料の制限等様々な規制が盛り込まれており、多重債務者の救済にとって大きな前進である。サラ金問題が大きな社会問題となった昭和50年代から今日までの約30年間、弁護士会、全国クレジット・サラ金問題対策協議会、各地のサラ金被害者の会、そして多くのわれわれの先達による運動の成果が、ここに結実したと言える。われわれは、その成果を高く評価し、弁護士会をはじめとする諸団体の活動を強く支持するものである。
(3) 今後の課題
今後の課題は、法改正後、実務に影響を与える政省令の作成において、多重債務者救済により資するように金融庁に対し積極的に働きかけること、最大3年6月である施行期日を一日も早くすること、見直し規定における2年6月後にサラ金側の逆攻勢を排除し、上限金利を上昇させるような後戻りをさせないこと等である。我々は、係る課題に積極的に取り組み、さらに見直し期間である2年6月後には利息制限法制限金利を引き下げる方向で運動を進めていくべきである。
さらに、今後予想されるサラ金の貸し渋り、または貸しはがしに対処するため、多重債務者救済事業をより一層強固かつ広汎に実施しなければならない。金利が下げられることによって、与信審査の強化が予想されるが、それのみならず、過剰貸付の規制強化により、年収の3分の1以上の借入がある場合、新規の貸し付けは受けられない。また、極度額方式の貸付をしている場合で年収の3分の1以上の貸付があるときは、貸付を抑制する必要な措置を講じなければならないことから、サラ金業者が追加融資を抑制し、返済だけを強要するおそれがある。このような貸し渋り、貸しはがし、及びそれに伴う混乱は金利引き下げの過渡期には必ず生じるものであるが、これを金利上昇の口実に使われないために、貸し渋り、貸しはがしの被害者を救済していかなければならない。
3 ヤミ金対策
出資法上限金利の引き下げに伴い、サラ金から借り入れできなくなった債務者がヤミ金に走るとの指摘がある。金利引き下げとヤミ金の跋扈とは因果関係はないが、ヤミ金がこの機に乗じてより広範囲に活動する危険性はある。それに対処するためには、強化された罰則を活用し、厳しい態度で摘発を続ける必要がある。2003(平成15)年6月、大阪府八尾市で老夫婦ら3人がヤミ金の取り立てを苦に自殺した、いわゆる八尾ヤミ金心中事件が発生し、捜査に当たった大阪府警本部等の合同捜査本部は2006(平成18)年2月、被害者らを心中に追い込んだヤミ金業者6人を逮捕し、2人を指名手配した。逮捕された6名は出資法違反、恐喝等の罪で起訴され、一部の被告人には実刑判決が下っている。このように警察の地道な捜査によって、特定困難な事件であっても犯人逮捕にたどり着けるものであり、今後も警察には更なる努力を続けるよう要請するべきである。
4 多重債務者救済事業
金利引き下げに伴うサラ金による貸し渋り、または貸しはがしに対処するため、より一層、多重債務者救済事業を進める必要がある。大阪弁護士会では、法テラスを通じたサラ金相談のみならず弁護士会におけるサラ金相談も無料化しており、一つの前進として評価できる。
今後は、改正貸金業法に規定されているカウンセリング機能の強化が課題となる。カウンセリング問題については、従来から、(財)日本クレジットカウンセリング協会との関係が問題となっている。大阪弁護士会消費者保護委員会は日本クレジットカウンセリング協会からの大阪支部設立の要請に対し、同協会の構成員である信販会社及びサラ金業者が利息制限法の制限金利を超える金利で営業していること、債権者側の団体が債務者をカウンセリングすることの利害対立、信販会社やサラ金業者の高金利が多重債務問題の原因であるにもかかわらず、一方でそれを「救済」しようとする矛盾(いわゆるマッチポップ現象)、カウンセリング協会の支部を作ることの必要性、カウンセリングの不透明性、同協会の出張カウンセリングに協力してこなかった経緯等から同協会の支部設立に反対の立場をとっていた。この消費者保護委員会の態度はクレジット・サラ金の業界団体が多重債務者を救済するという原理的矛盾やカウンセリングの不透明性・有用性等に鑑みれば、評価できるものである。
もっとも、改正貸金業法には貸金業者に対し、必要な場合にカウンセリング機関を紹介する義務を課していることから、今後は、その受け皿となるカウンセリング機関の整備が必要となる。カウンセリングが債務者の家計を管理・指導し、任意整理の原資を作らせるためのものであれば、業界のためのカウンセリングであると言わざるを得ないが、債務者の生活再建のためにするカウンセリングであれば、債務者にとって有用・有益なカウンセリングになる。今後は、日本カウンセリング協会にとらわれることなく、真に債務者の利益に叶うカウンセリングとそのための機関を作り上げていくべきである。
5 新破産法問題
新破産法が施行されて2年が経過し、みなし免責申立、自己破産申立から免責確定までの個別執行を禁止するオートマティックステイ、現金99万円までを破産者の処分に委ねる自由財産制度、現金以外の財産を自由財産に組み込む自由財産の拡張制度等は実務において定着ししつあり、概ね積極的な評価ができる。
しかし、次のような問題点が指摘できる。
(1) 自由財産の範囲
自由財産制度においては、その対象は現金に限られており、預貯金、保険解約返戻金等は99万円以内であっても自由財産には含まれていない。そのため大阪地裁は、同時廃止手続において、20万円を超える預貯金、保険の解約返戻金等を所持しておれば、債権者に対する按分弁済や管財事件への移行等を指示する。
しかし、預貯金、保険解約返戻金等は流動性が高いものであり、実質的には現金と異なるものではなく、かつ財産の形成、移動の過程が明確であることから、現金と同様に取り扱っても弊害はない。また、新破産法の立法過程にでは、当初は自由財産を現金以外にも認める予定であったところ、立法技術的な問題から、現金に限ることになった経緯に鑑みれば、預貯金等の財産を自由財産とすることに何ら問題はない。
よって、預貯金、保険解約返戻金等は、管財事件とすることなく同時廃止手続において、自由財産の拡張を経たものと扱うべきである。
(2) 直前現金化問題
上記問題に関連して、20万円を超える預貯金等を自己破産申立の直前に現金化した場合の問題がある(直前現金化問題)。この問題について、大阪地裁は破産申立費用その他有用の資に用いた場合以外、直前に現金化されたものは自由財産とは認めないという運用をしている。
しかし、現金化されたものは現金としか評価し得ないのであり、直前に現金化したか否かで差異を設ける根拠はない。この点、裁判所は、直前現金化は債務者の責任財産の減少と捉えているが、新破産法が現金99万円を自由財産としている以上、現金以外の財産が現金化したことを以て責任財産の減少と捉えることは立法を逸脱するものであり、妥当ではない。また仮に、管財事件において、裁判所又は破産管財人が破産者に対し、直前現金化した現金を財団へ組み入れるよう指示したとしても、破産者が自由財産であることを主張して、それに応じなければ、裁判所は自由財産であることを否定する決定を下すことはできず(拡張決定の場面ではなく、法律上、決定を下す根拠がない)、結局、現金化されたものは99万円まで自由財産として認めざるを得ないのである。
以上のとおり、直前現金化を否定する法的根拠はなく、大阪地裁の運用は改められるべきである。
(3) 過払金問題
最近大きな問題となっているのはサラ金に対する過払金の処理である。最高裁による取引履歴の開示義務の確立とみなし弁済(貸金業規制法43条)の事実上の死文化によって、サラ金に対する過払金返還請求権は換価容易な財産となり、その取り扱いが問題となる。
大阪地裁では、過払金返還請求権の額面金額が30万円以下であれば、サラ金からの回収率、回収した代理人の報酬等を考慮して、そのまま同時廃止決定をし、30万円以上であれば、代理人が回収して債権者に按分弁済するか、管財事件へ移行させている。
しかし、現金化された過払金について、その性質を問題視することは、既に述べた直前現金化問題と同様に無意味であり、99万円までは本来的自由財産とするべきである。また、過払金は、債務者がサラ金に対し、長期間に亘って、支払義務のない利息の支払いを強要された結果の集積であることからすれば、当然に債務者に返還されるべき性質を有しているものであり、未回収の過払金返還請求権については、自由財産の拡張を認めるべきである。
よって、既に現金化された過払金は本来的自由財産として、未回収の過払金返還請求権は自由財産の拡張によって、それぞれ自由財産として扱うべきである。
第3 製品の安全の確保と被害救済
1 安全の問題を検討する際の視点の広がり
(1) サービスの安全性
食品・製品の安全性のみならず、サービスの安全性も重要な視点であり、その安全性確保のための措置が講じられる必要性がある。サービスの安全を確保するためには、サービス提供に際して使用される製品の安全確保も重要である。
(2) 製造者以外の卸売、小売業の責務
また、製品流通に関わる業者のうち、卸売業者や小売業者にも、例えば、安全に関する情報やクレーム情報について、公表義務や報告義務を課すことが検討されるべきである。
2 安全を確保するために求められる施策
(1) はじめに
昨今規制緩和の流れの中で「事前規制から事後規制へ」といわれることが多いが、安全性確保のシステムは以下のような視点から構築されなければならない。
(2) 事前規制の不可欠性
製品・サービスの安全性の欠如・不備があれば、生命・身体などかけがえのない法益に取り返しのつかない大量被害をもたらすことに鑑みれば、規制緩和の名のもとに、安全基準を定めこれを遵守させるという事前規制をおざなりにすることは許されない。このことは、例えば、戦後の数々の薬害事件(サリドマイド、スモン等)、食品事件(森永砒素ミルク、カネミ油症等)、昨今ではHIV血液製剤事件、ヤコブ病事件、雪印集団食中毒事件、BSE問題、三菱自動車事件、松下石油ファンヒーター事件、パロマガス湯沸かし器事件、などを見れば明らかである。
製品の安全性確保のためには、開業規制、製造許可、製品規格等いわゆる事前規制が今なお不可欠な場面がある。
(3) 事後チェックの強化
@ 消費者安全に関する行政の指導・監督権限の強化
ア 罰則等の制定・強化
第1に、製品安全基準違反、事故情報・クレーム情報の報告義務違反、リコール命令違反に対する罰則が設けられる必要がある。危険な製品サービスが市場に出回り、事故が発生することを未然に防止するためには、国が製品安全基準を定め、事業者に対し遵守義務を課し、また、事業者に対し事故情報・クレーム情報を主務官庁に対し報告することを義務付け、これを広く国民に公表する必要がある。これらの義務に違反した事業者に対しては、厳重な罰則及び事業者名の公表が必要である。
危険な製品やサービスによる事故の発生を防止するためには、危険な製品が流通する恐れがある等の必要な場合に、行政により機動的に立入検査、改善命令、製品回収命令(リコール)、営業停止措置がなされることが必要であり、違反した事業者に対しては、厳重な罰則および事業者名の公表が必要である。
現在、これらの規定を有する製品分野もあるものの、行政が、事後的措置として立入検査、改善命令、回収命令、営業停止措置を機動的・実効的に行えるように規定を整備することは、事故防止の直接的効果の点においても事業者に安全を守るべくインセンティブを与える上でも極めて重要であり、現在、製品分野ごとに一部規定されているこれらの規定を製品横断的に見直す必要がある。
第2に、実効性ある制裁システムが整備されるためには、行政罰、刑事罰、民事的損害賠償の使い分けも十分検討されなければならない。この点、懲罰的損害賠償制度の導入が是非ともなされるべきである。刑事罰を科す場合には、罪刑法定主義の見地から対象となる違反行為を予め明確に規定する必要性が高く、規定の仕方に工夫が必要となる。
第3に、製品ごとの諸法の罰則を横断的に見直して引き上げることが必要である。消費者の安全な製品、サービスの提供を受ける権利を実質的に擁護するためには、民事、刑事を含めた事後的司法的規制が十分に働く必要がある。特に、製品安全基準違反、各種報告義務違反、リコール命令違反等に課すべき罰則について、事業者の法令遵守に向けたインセンティブを働かせるに十分な金額の法定刑を定める必要がある。従来、わが国においては、これらに対する罰金の額は極めて低額であった。例えば、道路運送車両法におけるリコール隠し等の自動車メーカーに対する罰金の上限は20万円であった。また、1万3000人以上の食中毒被害者を出し、安全基準違反、行政に対する報告義務違反など数々の食品衛生法違反行為が明らかになった雪印乳業製低脂肪乳集団食中毒事件においても、企業に課せられた罰金はわずかに合計50万円であった。このような罰金の額では、企業が、事前の安全対策や、事後の報告義務等を怠ることに対する抑止効果は極めて乏しかった。これに対し、近時、消費生活用製品安全法は1億円、独禁法は5億円、道路運送車両法は2億円、JAS法は1億円、食品衛生法も2003(平成15)年の改正で1億円と引き上げられる等、分野によっては罰金の上限が大幅に引き上げられている。これらの動きは、正しい方向であるというべきであるが、さらに、罰則の法定刑をあらゆる種類の製品、サービス、取引分野につき、横断的に見直し、事業者に対する抑止効果が十分働く金額まで引き上げる必要がある。
イ 監督官庁へのリコール命令権の付与、実効化
従来、国土交通省には自動車に関するリコール命令権はなかったが、三菱自動車の長年に亘るクレーム隠し・リコール隠しが判明した事件を受けて、2002(平成14)年、道路運送車両法が改正されて、リコール命令権が付与された。他の製品に関する諸法においても、リコール命令権が付与されているものとそうでないものが混在しているが、ないものについてはこれを付与し、あるものについては実際に運用されるように実効化されるべきである。
ウ 事故情報・クレーム情報の収集・公表制度の構築が必要である。
事業者には、事故情報・クレーム情報につき報告義務を課すべきであり、対応する監督行政庁においても、情報の迅速な収集・分析・公表ができる体制整備がなされなければならない。
本年、パロマの瞬間湯沸かし器を原因とする一酸化炭素中毒による死傷事故がメーカーや行政において適切に対応されることなく長年放置されていたことがマスコミで連日報道され社会問題化した。
経済産業省はこれを受けて消費生活用製品安全法の改正案を策定し、同案は閣議決定を経て秋の臨時国会に提出された。法案の骨子は以下のとおりである。
(a) 次の重大製品事故について、製造・輸入事業者に対し、主務大臣への報告を義務づける。
@ 対象製品
自動車・医薬品等、他の法律によって厳格な安全規制が行なわれている製品を除く、一般消費者の生活用製品全般
A 事故の範囲
死亡、身体欠損、一酸化炭素中毒等が生じた事故、火災等
(b) 報告義務違反者に対しては、情報収集等の体制整備命令の規定を設け、命令違反者に対しては、懲役1年以下又は100万円以下の罰則を課す。
(c) 主務大臣は、重大製品事故による危害の発生及び拡大防止のため必要と認めるときは、製品の名称、事故の内容等を公表するものとする。
(d) 小売事業者、修理事業者、設置工事事業者に対しては、製造・輸入事業者への事故情報の通知に努めることを責務として求め、販売事業者には、製品回収等、危害の発生・拡大を防止する措置へ協力することを求める。
しかし、上記法案は以下の点で不十分であり問題がある。
(a) 報告が義務化される製品事故が、重大製品事故に限定されていること。
(b) 国による製品名・型式・事故内容の公表が、重大な危害の発生及び拡大防止のために必要と認められるときに限定されている点。
(c) 製造・輸入事業者の報告義務の履行確保のための措置が不十分である点。
(d) 製造・輸入事業者の報告義務を確実に履行させるためにも、また事故情報を早期に確実に収集し消費者が活用できるようにするためにも、消費者や相談機関から危険・危害情報を収集し、収集された情報を広く国民が共有できるシステムが必要であるが、今回の改正にはこうした観点が洩れている点。
(e) 国における危険・危害情報の統合化や分析・活用の確保策が明確になっていない点。
エ 検査、監督、調査体制の充実
全体的な人員削減の方向の中で、安全性確保部門の人員(食品衛生監視員など)も減員される傾向にあるが、むしろ増員すべき状況にあるのではないか。仮に、増員が困難であるとしても、適正な人員・予算の再配分が行われる必要がある。
オ トレーサビリティーの導入
BSE事件をきっかけにわが国でもトレーサビリティーの考え方が広まりつつある。牛肉については、生産者履歴やBSE検査履歴の保存と開示が導入されているが、製品の安全性確保や緊急時の迅速な被害拡大防止などの見地から製品毎に導入が検討されるべきである。
カ 横断的な「安全」確保のための機関の設置
消費者庁や食品安全庁のような機関の設置が検討されるべきである。
食品安全の分野において2003(平成15)年に制度化された「食品安全委員会」は、リスク評価部門を監督官庁(現実は業者育成省庁)から独立させたという意味においては評価される。しかし、リスク管理部門を監督官庁に残す方法については、BSE事件における全頭検査の緩和や米国産牛肉の輸入再開に至る経過を見ると、政府や監督官庁の意向に沿った事項についてリスク評価を行ったり、リスク管理部門の示す条件を前提としたリスク評価を行うことしかできていない点で大きな問題がある。客観的かつ科学的なリスク評価に基づいて政策が実行されるべきであるのに、リスク管理部門の都合でリスク評価が行われており、本末転倒になってしまっている。
安全を確保する専門省庁の中に、リスク評価部門のみならずリスク管理部門をも取り込んだ上で業者育成省庁から独立し、さらに、当該専門省庁内で機能的に分離する方法や、新たなリスク管理機関を安全庁として設立するなどの方法も検討される必要がある。
また、食品安全以外の商品・サービスの安全についても、同様の機関整備の議論が必要である。
キ 食品安全委員会の改善すべき点
食品安全委員会については、リスク管理部門からの強い独立性確保が必要であるし、単なる諮問機関にとどまらず、独自の規制権限を持つことも検討されるべきである。食品安全行政に関する消費者の参加権を確保するために、食品安全委員会に対する措置請求権が認められるべきである。また、リスク評価のメンバーに消費者代表を入れるなどの消費者の関与が不可欠である。
さらに、事故情報・不具合情報等の積極的な情報収集・迅速な情報開示の責務が規定される必要があるし、情報提供を促進するため事業者内部の労働者から同委員会への通報を保護する公益通報者保護制度の導入も図られるべきである。
A 不当な被害を迅速、完全に救済される権利の確立
消費者が製品やサービスによる生命・身体・財産の安全を脅かされる事態から救済されるとともに、間接的に被害を事前に防止するためにも、民事訴訟手続により、消費者の被害が速やかに救済される制度が整っていなければならない。消費者が、被害に対し、裁判所に訴訟を提起することが容易でない状況のもとでは、被害が救済されないだけではなく、事業者に対しても安全を確保すべきインセンティブが働きにくいこととなる。
1995(平成7)年7月に施行された製造物責任法は、欠陥製品被害の迅速適正な救済と被害の未然防止を目的として制定され、過失責任から欠陥責任への転換によって、製造業者の製品の安全確保に向けた行動に強いインセンティブを与えるものと期待された。しかし、内閣府の調査によればその後10年間に提起された同法による訴訟はわずか90件程度に過ぎず、しかもその結末も敗訴や敗訴的和解が少なくない。
雪印低脂肪乳集団食中毒事件においても、1万3,000人を超える被害者のうち訴訟を提起したのはわずか5家族9名にとどまっている。多くの被害者は十分な賠償を受けることができずに不満を感じながらも、判例によって形成された人身被害の賠償基準の下で予想される賠償額が訴訟コストに見合わないほど低額であるため、泣き寝入りに終わっているのである。
消費者が、訴訟を提起しやすくし、被害が現実に救済されるためには、製造物責任法にクラスアクションや欠陥、因果関係の推定規定を導入するなどの法改正を行うこととともに、事業者側に故意、重過失、証拠隠し、リコール隠し等がある悪質な場合には、少なくとも実損害額の3倍程度を限度とする懲罰的損害賠償(労働基準法の付加金の制度や日弁連の製造物責任法要綱参照)を命ずることができるよう法改正をすべきである。また、欠陥及び事故原因を解明するための原因究明機関の充実、鑑定制度の改善充実も図られなければならない。
本年立法化された消費者団体訴権の制度は、認定消費者団体に違法な約款の無効や違法な勧誘の差し止めを認めたが、危険な製品の製造販売輸入の差止請求訴訟や、被害の損害賠償請求訴訟など、製品の安全に関する分野についても導入を検討する余地がある。
消費者の、情報の提供を受ける権利、情報開示請求権も強化されなければならない。
(4) 製品安全情報の収集・公表・開示システムの構築
@ 行政の指導監督、民事司法機能の実効化の場面
行政の指導監督権限の前提として、また民事司法機能の実効化の前提として事故情報やクレーム情報の収集・公表・開示がなされるシステムの構築が必要である。
A 緊急時の人身被害の発生防止の場面
人身被害の発生拡大を緊急に防止しなければならない場合において、緊急危害防止措置等として、迅速かつ確実に事故情報・クレーム情報が収集・公表・開示されるシステムの構築も不可欠である。
3 適正な表示・広告と情報の提供を受ける権利
(1) はじめに
消費者には、商品・サービスの性能・危険性その他の適正な表示・広告と情報の提供を受ける権利があるというべきであり、これと裏腹の関係として、適切な表示及び十分な情報提供を適切な時期に行う事業者の責務がある。
若干上記に述べた点と重複する部分があるが、「情報」という点で再度整理することにする。
(2) 適切な表示・広告の確保
安全な食品を選択する権利の確保のため、適正な表示・広告義務、誤認するおそれのある表示・広告等の禁止、輸入食品について輸入者・販売者の調査義務・表示義務、重要事項の隠蔽の禁止、義務違反に対する制裁等が問題となる。
(3) 製品事故や製品クレーム情報の収集・公表・開示システムの構築
@事業者の消費者に対する公表義務、A事業者の行政に対する報告義務、B行政に対する公表権限の付与、公表する責務の明文化が必要となる。
(4) 事業者への損失補償制度
緊急時に危険製品の情報を蓋然性の段階で公表したが、後日真実と違っていた場合、一定の要件の下で事業者に対し、損失補償がなされる制度の構築も同時に検討されなければならない。
第4 投資問題と消費者被害
1 投資者保護、被害救済、防止に関する法整備のこれまでの経緯
(1) 規制緩和に伴う事前規制から事後規制への転換及び金融ビッグバンに備えて、消費者保護の立法の大きな柱として、消費者契約法、金融サービス法、統一消費者信用法の制定が求められていたところ、前二者については、内容に不十分さを残しながらも、すでに消費者契約法、金融商品販売法として成立し、2001年(平成13)年4月1日から施行されている。
(2) その後、商品取引所法が改正され(2005(平成17)年5月1日施行)、金融先物取引法が改正される(2005(平成17)年7月1日施行)など、一部の分野での一定の状況の改善は見られるものの、まだまだ不十分である。
(3) また、2006(平成18)年の通常国会で、証券取引法を改正し、集団投資スキーム、多くのデリバティブ等を取り込む金融商品取引法が成立した。
2 不招請勧誘の禁止
(1) 2003(平成15)年11月28日の近弁連大会で、多くの消費者被害を抜本的に解消する規制として、不招請勧誘の禁止(勧誘を希望した人以外への勧誘禁止・特に訪問勧誘、電話勧誘の禁止)が決議された。
(2) 積極的に自ら投資を行いたいと思う人はともかく、そのような意思は全く持たずに、一方的に勧誘を受けて、「必ず儲かります」「絶好のチャンスです」などと言われて、投資勧誘についての心構えの全く無い時に不意に勧誘を受け、冷静な検討ができず、軽率に先物取引や証券取引の契約を交わしてしまう、といった被害が相次いでいる。本来、すべての取引行為につき、不招請勧誘は禁止されるべきであるが、特に投資勧誘については、その被害が高額になること、また、商品の理解の困難性から、不招請勧誘禁止の導入は、より強く求められるものである。
3 金融商品取引法の成立
(1) 2006(平成18)年の通常国会で、金融商品取引法が成立した。
この法律は、証券取引法を全面的に改正するとともに、商品ファンド、民法上の組合、商法上の匿名組合、オプション、外国為替証拠金取引等、ここ数年来問題になってきた各種投資詐欺的商法について、これまでの縦割り行政の弊を正し、その他投機性の強い預金、保険、商品先物取引等についても、それらと同様の規制を適用するという、利用者保護のための横断的な規制法を目指したものである。
(2) 日弁連は2004(平成16)年5月8日付で、「金融サービス法の制定を求める意見書」を採択しており、かねてより、金融取引全般を横断的に規制する英国並みの規制法を作るよう提言してきたもので、一歩前進と言えるものである。
(3) しかし、そもそも省庁間の利害対立から、本来統一的に規制すべき金融取引のうち、最も被害が大きいとされる先物取引を規制そのものからはずし、同様の規制を及ぼすとして個別の勧誘規制の改正等にとどめたのは欠陥である。
また、「不招請勧誘」禁止の規定が、個別に政令指定された取引だけに及ぶものとし、当面は、市場外外国為替証拠金取引だけの適用にとどめたことは大きな後退である。2005(平成17)年7月1日施行の金融先物取引法(今回の金融商品取引法立法により廃止)で、外国為替証拠金取引については市場取引、市場外取引を問わず、「不招請勧誘」を禁止したこととの比較で、後退と言わざるを得ない。前記第2、で指摘したとおり、不招請勧誘禁止は、投資取引被害の減少に極めて大きな効果をもたらすものであり、逆に言えば不招請勧誘禁止の伴わない投資勧誘規制など、投資家保護の観点からは余り意味を持たないとも言えるものである。
4 商品先物取引の規制強化の必要性
(1) 1991(平成3)年以降続く証券不況の結果、証券市場に流れていた資金がその行き場が失い、一部は、商品先物取引市場に大量に流れ込んでおり、商品取引市場は今、活況を呈している。
しかし、その実態は、相変わらず、投資意欲など全く持っていなかった人に、資産等との比較で不相当に過大な投資をさせ、次々と売買を繰り返すといった被害があとを絶たない。現在の日本の消費者被害で、最も悲惨なものの一つに挙げられるもので、その制度改革は焦眉の急である。
(2) 日弁連は2003(平成15)年1月、商品先物分野について、訪米調査団を派遣し、業界において、及び被害救済の面でも、常に日本の手本となってきたアメリカの実態を調査してきた。その結果、そもそもアメリカでは、商品先物取引においては、零細顧客への執拗な勧誘などはほとんど行われておらず、プロの機関投資家が50%、実際に穀物等を扱っている当業者が25%、一般投資家が25%などと言われている。また一般投資家の多くは、インターネットにより、全く自らの判断で取引を行っているもので、日本のように、業者の担当者から手取り足取り教えてもらうなどという顧客の割合は極めて小さい。そのような中で、アメリカでは、CFTC(商品先物取引委員会(Commodity
Futures Trading Commission))が、実に詳細な規則を定め、効果的かつ有効に業界を監督し、また、調査スタッフも充実しており、各種自主規制団体による自主規制とあいまって、アメリカにおけるこれら分野での不公正取引の防止、被害の救済に大きな効果を挙げている。
その結果、業者の方も、おかしな勧誘はできないと覚悟しており、顧客との会話をすべて録音し、問題となりそうな顧客からの委託は業者の方から受けないなど、自主的な規制が進んでいる。
わが国でも、早急に、アメリカにおけるこれらの制度、法規制の長所を吸収し、先物分野における被害の防止、救済を行うべきである。
(3) また、日弁連は、2003(平成15)年11月21日付で、商品先物取引制度改革意見書を発表したが、その中でも@不招請勧誘禁止、A適合性原則の徹底、B説明義務の法定化、C完全分離保管等委託者債権保全措置の強化は、特に重要であり、現在、国民生活審議会で進められている商品先物取引の制度改革においては、絶対に実現されるべきものである。
これに対して、商品取引所法は、2004(平成16)年5月に改正されるに至り、それに伴う各種の政令、ガイドライン等も2005年(平成17)年5月の改正法施行とともに整備されるに至っている。
それらにおいて、向い玉(顧客にはある商品を買わせておいて、業者自身はその商品を売る、などという詐欺的取引手法)の禁止や委託者債権保全措置の面では一定の成果を挙げているものの、不招請勧誘は全く制限されず、適合性原則の徹底もなされないなど、全くもって不十分な改正であったと言わざるを得ないもので、今後は解釈、運用面での改善ならびに判例の集積による違法性基準の確立が求められるところである。
(4) 不招請勧誘の禁止の附帯決議
2006(平成18)年の金融商品取引法の審議過程において、国会では、永年、極めて甚大な先物取引被害が放置されてきたことが大きな問題となり、是正のための附帯決議が行われた。特に参議院では、先物取引の実効性ある規制に向けて、「商品先物取引、海外先物取引及び海外商品先物オプション取引については、取引の特徴やこれまでの被害の実態にかんがみ、実効性のある規制及び検査・監督を行うため、厳正な対応を可能とする体制を整備すること」とされ、さらに不招請勧誘の禁止については、「委員会における指摘を誠実に受け止め、商品先物取引はレバリッジ効果を有するリスクの高い商品であることを踏まえ、一般委託者とのトラブルが解消するよう委託者保護に全力を尽くしていくこと。今後のトラブルが解消していかない場合には、不招請勧誘の禁止の導入について検討すること。」として、今後、被害が減らない限り先物取引に不招請勧誘の禁止を導入しなければならない旨の附帯決議を行ったものである。
(5) 商品先物取引に損失補填禁止規定が入れられることについて
金融商品取引法立法に伴う商品取引所法改正により、商品先物取引の分野で、損失補填禁止条項が入れられた。
損失補填禁止条項とは、1991年(平成3)年の証券不祥事に際し、多くの証券会社が、特定の大企業たる顧客の取引についてのみ、今後の取引の継続を企図して、証券取引で生じた損失を補填したことが問題となり、その後、法律で罰則をもって禁止されたものである。
証券取引においては、「下がるかも知れないことを覚悟したリスクマネー」のみが市場に投じられるべきであって、事前の損失保証や事後の損失補填がなされる、いわゆるノーリスクマネーの投入を許すと、過大な投資が過大な相場の高騰を呼ぶことから、これらを禁止したものである。
しかし、商品先物取引の世界においては、いわゆる客殺し手法の結果、損をした顧客は次々と切り捨てられていくだけであり、これまで、損失補填が問題になったようなことはなく、また、これからも問題になりそうな恐れは特にない。結局、被害者からの損害賠償請求に対して、業者側が和解を拒否する口実として、損失補填禁止規定が使われるだけに終わる可能性が高いものであって、商品先物取引において損失補填禁止規定を置くことは、有害無益である。
よって、今後、損失補填禁止の例外規定を定める政令制定の際には、たとえば、弁護士や消費者センターが関与した場合は事後報告だけでよい、とするなど、被害救済に支障を来さないような運用にしなければならない。
第5 ICT時代の消費者保護
1 はじめに
「ITからICT(Information Communication Technology)へ」は、技術分野における名称の変更に止まらない。ITに関わる消費者トラブルやその保護をめぐる立法政策の在りようは、このようなITを通じたコミュニケーション分野が中心となる。ここでは、電子商取引に関連する法改正に関わる問題の現況と喫緊の課題について触れる。
2 不招請勧誘
(1) 不招請メール
消費者が招請しないいわゆる不招請メールの件数は、携帯電話に限れば減少化傾向にあるとされる。これは、メール送信者への対策として、大量送信者に対するメール送信通数制限措置や利用停止措置を執ったり、IPアドレスの信頼度の評価に応じてメールをフィルタリングする技術、メール送信元情報を確認する送信ドメイン認証技術の導入など、主に技術的な手当が奏功したものと思われる。しかし、不招請メール送信手法の巧妙化、多様化の速度は早い。第三者のPCに不正侵入したり、あるいはウィルスに感染させて不招請メール送信用に利用する悪質な事例も多数報告されている。これに対処するブロック・フィルタリング技術の陳腐化は避けられない。また、受信側対策として、長文メールアドレスへの変更、特定のドメインからのメールのみ受信するドメイン指定受信機能の提供、受信者の実際の受信メールの内容に応じて最適なメールの振り分けなどを行う学習型フィルタリングサービスが提供されるが、メール受信者層の拡大・多様化に伴う知識・情報格差(デジタル・デバイド)の拡大も指摘され、これら技術の適切な利用・有効活用も十分奏功しているとは言い難い。パソコンにおける不招請メールは逆に増加傾向を示している事実は、技術的な側面への依拠に限界があることを端的に示す。
(2) 関連被害の実情
不招請メールは、現状においてもなお架空請求、ワンクリック不正請求などの契機・温床となっている。ブロードバンド推進協議会の調査によれば、わが国では、インターネット利用人口7,270万人中の4.7%が何らかのインターネット被害に遭遇しており、そのうち、ワンクリック詐欺被害者の推計件数は101万人、推定被害額は156億円と推計されている。アダルトサイトのみならず投資関係のサイトでもワンクリック違法請求事例が確認されているほか、その手口も巧妙化している。広告メールやモニター募集、商品券当選などを謳って本文中のリンクに誘導し、ウィルスやスパイウェア感染を引き起こす事例もあとを絶たず、転送を呼びかけ連鎖するチェーンメールの形態をとるケースも認められるという。
(3) 現行法の不備
不招請メールに対し、現行の特定商取引法は広告表示規制、誇大広告の禁止、顧客の意思に反して申込みをさせようとする行為の禁止、受領拒否者への再送信禁止などを定める。2005(平成17)年5月の改正特定電子メール適正化法は、送信者情報の偽装メール送信の禁止と措置命令違反を介さない直罰規定の設置、架空電子メールアドレスへの送信禁止を定めた。
しかし、受領拒否者に対する再送信禁止違反に対しては主務大臣の措置命令、命令違反に対する間接罰が規定されているに過ぎず、行政権限が行使されるに至る事例も極めて少ない。措置命令等行政による法執行のみで迷惑メールを撲滅することや、フィルタリング等の技術的対策のみで迷惑メールの受信を回避することに限界があることは行政当局も自認するとおりである(総務省2005(平成17)年7月22日付「迷惑メールへの対応に関する研究会 最終報告書」参照)。
(4) 法改正の必要
不招請メールを端緒にした不当請求被害があとを絶たない実情に鑑みれば、事前に受け手の事前許諾がなければメール送信を原則的に不可とするいわゆるOPT − IN方式を採用する方向で法改正を急ぐべきである。この方式を採用するEU諸国やオーストラリアなどでその不都合は聞かない。
また、不招請メールは、それに起因する不当請求などのほか、その受信自体が、受信者のプライバシーを侵害する点で、民事法上も違法性を帯びると評価される。僅少に過ぎる行政処分件数は、不招請メール被害に対する行政の対応が極めて不十分であることを端的に窺わせる。現行の諸規制中に、受信者の違反者に対する法定賠償の支払いを認める民事規定を盛り込むべきである。
3 インターネット・オークション
(1) トラブルの実情
インターネット・オークションは、インターネットを通じた一般参加型の競売取引である。出品者はオークション業者のウェブサイトに商品の写真や特徴、希望価格などを掲載し、最も高値を提示した入札者が商品を落札する形で行われる。商品の引渡しと代金決済は、通常、落札者と出品者間で直接行われる。
野村総研によれば、インターネット・オークションの市場規模は、2005(平成17)年度には1兆1400億円であったものが、2006(平成18)年度には1兆6200億円、2010年度には2兆8000億円に膨むと予測されている。市場規模の拡大に伴い、落札者に商品が送付されないとか、欠陥商品が送付されるなど、履行、あるいは代金支払いをめぐるトラブルのほか、出品商品を有していないにもかかわらず、それを偽って落札代金を取得するなどの詐欺被害も増加している。2006(平成18)年上半期の警察庁の公表によれば、ネットワーク犯罪(犯罪の構成要件に該当する行為についてネットワークを利用した犯罪、または構成要件該当行為でないものの、犯罪の実行に必要不可欠な手段としてネットワークを利用した犯罪)中、詐欺事犯が733件で全体の約4割を占め、前年同期より9.1%増加しているが、このうち実に86.6%が、ネットオークションに関する。
(2) 規制の現状と問題点
経産省は2006(平成18)年1月30日、「インターネット・オークションにおける『販売業者』に係るガイドライン」を公表し、出品者が個人であっても、出品頻度、落札金額によっては事業者とみなし、特定商取引法を遵守する義務を負う扱いとした。これは出品者に対して氏名や住所、電話番号のほか、販売価格、支払い方法などの開示を義務付けるものである(法11条)。同省はまた、同年7月3日、出品者にインターネット・オークション出品サイト上に記載した販売価格や支払方法などにつき表示義務違反があった場合、出品者のオークションIDを順次公表することを決定した。このような施策は、落札者による履行・損害賠償請求のための相手方特定を容易にするほか、被害の未然防止に資するものである。しかし、一旦、被害が発生すれば、出品者に資力がなかったり、資産が隠匿されるなどの理由から、被害者による被害回復はほとんど不可能であることは、オフラインの消費者被害と何ら異ならない。
(3) 規制のあり方
インターネット・オークション業者は、オークション・サイトを開設し、それを維持・運用することで、広告料等、出品手数料、成約手数料、登録者からの一定額の会費徴収などの収益を得ている。このようなシステムを利用した詐欺などの出品者の不始末に対し、このシステムを維持・運用して収益を上げるインターネット・オークション業者も、一定の責任を負担するとするのが公平である。悪質出品者排除とインターネット・オークション市場の健全な発展のために、エスクロー制度の整備や損害保険等の適切な活用と併せ、システム開設、維持・運用者であるインターネット・オークション事業者の民事責任分担法制の整備が急がれる。
4 クーリングオフ
電子商取引は通信販売に属し、特定商取引法の適用を受ける。現行法は通信販売についてクーリングオフの規定を置いていないが、通信販売についてもクーリングオフ規定を設けるべきである。
通信販売では、訪問販売などの対面での勧誘形態を取らず、通常の場合、販売者の欺瞞的勧誘、不退去などの威迫・威圧勧誘のおそれはない。しかし、店頭での販売・購入ではないことから、商品・役務を直に見たり、手にとって形状や品質を確認することができず、消費者の適正な商品・役務の選択・取引の判断機会、熟慮が確保されない販売方法であることは否定できない。
このような特質から、EUでは1997年7月に、加盟各国に対し、電子商取引による販売を含めた隔地者間取引指令を出す中でクーリングオフ規定の設置を求め、各国で既に実定法化を終えているが、これを廃止しようとする動きはない。同じ商品・役務の購入に際して、EUの消費者とわが国の消費者との間に、保護の内容・程度に差異を正当化する理由はない。クーリングオフ規制の欠如は、わが国で電子商取引に関わる事業者に対する世界各国の消費者の信頼・信用を損なうものである。電子商取引産業の健全な発展のためにも、EUを含めた関係諸国との間の法制度の共通化は必須である。特定商取引法中の通信販売に関する規定を改正し、その利用者にクーリングオフ権を認める規定の設置を急ぐべきである。
5 決済関与者の共同責任
(1) クレジット決済の進展
事業者・消費者間の電子商取引の市場規模は、2004年度には5兆6,430億円に達し、前年の4兆4,240億円に比して28%の伸びを示した。うち、携帯電話などの端末を用いたモバイルコマースは、前年の7,770億円から9,710億円に増加している。
電子商取引の拡大は、主要な決済手段としてのクレジットカード利用を拡大させ、2006(平成18)年度の経産省調査ではその利用率は34%に達するとされている。非接触方式のIC
カードやそれを内蔵した携帯電話の発達は、モバイル端末によるクレジット利用をさらに加速させている。
(2) 割賦販売法改正の動きと規制のあり方
経産省の産業構造審議会割賦販売分科会基本問題小委員会は、2006(平成18)年6月7日付けで「報告書 クレジット取引に係る課題と論点整理について」を公表した。同報告書は、現状のクレジット取引及びこれに関する諸制度に多くの問題点があることを指摘している。
日弁連も、かねてから現行割賦販売法の不十分さを指摘し、その見直しを求めてきた。2006(平成18)年7月20日には、実効性のある被害対策の実現を求め、理事会で「割賦販売法の抜本的改正を求める意見書」を採択した。ここでは、1回払いや2回払いのクレジット契約についても割賦販売法の適用対象に加えること、法適用取引を限定している政令指定商品制廃止などのほか、クレジット会社に対する抗弁対抗による未払い金の支払停止に止まらない既払金の返還義務を定める規定を置くことを求めている。
英国では、既に1974年の段階で、消費者信用法上、販売業者の不始末に対するクレジット業者の共同責任を認める規定を置いた。2006(平成18)年に法改正がなされたが、その改正論議の過程でも同規定の廃止を求める声はクレジット業界からも上がってはいない。共同責任規定が置かれたにもかかわらず、英国のクレジット業界の競争力が弱まった事実はなく、同規定により逆にクレジット利用による商品・役務の購入の安全性に対する国内外からの信頼が高まっている。電子商取引がますますグローバル化を進める中で、わが国の電子商取引とその決済手段を提供するクレジット産業が世界の信頼を勝ち得、より一層の発展を遂げるためには販売業者とクレジット業者の共同責任規定の設置は必須である。
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